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第五回 築地浩也さん 【工学部社会基盤工学科卒アメリカ・Bellevue Community College アメリカ・University of California, Irvine イギリス・Imperial College of London留学】


Imperial College London留学中にロータリー奨学生のメンバー達と。一番左が築地さん。

 
――留学先の大学、学部、受講内容について教えてください。
3回留学しました。留学先、期間などは次の通りです。
 
2005年4月~2006年3月 Bellevue Community College(米国ワシントン州)
http://bellevuecollege.edu/
学部3年次:9ヶ月語学留学と3ヶ月インターンシップを経験。
 
2007年9月~2008年6月 University of California, Irvine(米国カリフォルニア州)
http://www.uci.edu/
学部4年次:工学部交換留学。ビジネス、金融、ITなどを受講。
 
2008年10月~2009年9月 Imperial College London(英国ロンドン)
http://www3.imperial.ac.uk/
大学院留学:工学部環境工学科。水問題、大気汚染対策、廃棄物処理。
 
 
――留学しようと思った動機を教えてください。
ある二人の影響で留学を志すようになりました。一人は母です。母は日系航空会社の客室乗務員として国際線を担当し、私に実経験を元に世界へ飛び立つよう常々アドバイスしてくれました。もう一人は高校時代の校長先生です。先生は非常に親しく接してくださり、今後の英語能力の重要性について教えてくださいました。大学進学した後も二人の言葉を胸にとめ、英語能力を向上させ、そして世界に目を向けるようにしてきました。その中でノーベル賞受賞者が多く、研究等の世界ランキングで日本よりも上にある米国や欧州の大学の教育を受けてみたいと思うようになり、留学しようと決心しました。
 
 
――留学に必要な準備はどのようなものでしたか。
駒場時代にはまず語学を磨くことを心がけました。サークルはESSに所属、また地域の英会話コミュニティーに参加し、スピーキングなど発信するための英語力を伸ばしました。また、授業では英語二列を積極的に受講して英語に触れる機会を多くもつようにしました。英語に関しては、社会人となった今でも地域の英語スピーチ団体に所属し、英語コミュニケーション能力の向上に努めています。
UC Irvineへの工学部交換留学は少し特殊でした。4年次夏からの留学であったため、学科の通常カリキュラムをこなすだけでは卒業研究などの単位習得の時期が留学と重なり、留年を余儀なくされます。そこで、指導教員となる先生にお願いして、卒業研究を3年生のうちから取り組ませていただき、渡米前に論文提出と発表を終えました。東大にも色んな選択、方法があることを知り、あきらめずに行動することが大切だと実感しました。柔軟に対応していただいた指導教員の先生には非常に感謝しています。
 大学院Imperial College LondonへはUC Irvineにいるときに応募しました。このときには、もう既に海外学生生活も長く、自分の中で留学に対してのハードルは比較的低くなっていました。院留学は地域のロータリー財団の奨学金をいただき、留学先での日本文化紹介が義務付けられていました。日本文化の発信は私自身も海外生活を送る上でやっておきたいことのひとつであったため、日本のことをよく調べていきました。本一冊読むだけでも日本に関しての色々な知識が得られます。Imperial College Londonには様々な国からの留学生がいました。そこで日本をよく知る留学生として正しく日本の魅力を伝えられたことで、日本人の誇りと自信を持つようになりました。
 

築地さんの誕生日パーティー。UC Irvineの仲間達と。
 
――留学先で受けた授業や取り組んだ研究について教えてください。
 私が留学したどの大学にも言えることですが、授業中の発言、質疑応答が活発でした。特に米国ではTAによる教育の熱意の強さを感じました。また学生も教育で得られるものをキャリアにつなげようと一生懸命でした。
 Bellevue Community Collegeへの留学に対しては駒場から本郷に移る良い節目の時期に国際経験の第一歩として語学力の向上、海外生活、実務経験を求めました。インターンでは丘陵地のプロジェクトに関わらせてもらい、専門で学んだことがどう実社会に活きるかを自分の目で確かめることができました。UC Irvineでは、本来の専門である土木に縛られずに広く学びました。ビジネス、金融などの授業を主に受講し、技術と社会の関わりについて深く考える機会となりました。Imperial College Londonでは専門を土木から環境工学へ変え、水処理、大気汚染や廃棄物処理に関する環境技術について学びました。そこで直面したのが、日本の技術は世界トップクラスであるのに、世界に浸透しきれていないという事実です。例えば、教授はテムズ川での廃棄物処理の授業で、日本の技術は優れているのにも関わらずよく知られていないので、ここでは使われていないという発言をしました。ここで感じた問題意識は私が今後の進路を決定する上で大きく影響しました。
海外で専門を追求することは容易いことではありませんでした。正直、周りに圧倒されて落ち込むことが何度もありました。しかし、コツコツ型の継続心と未知へ向かう姿勢だけは誰にも負けない自信があり、常に一歩踏み出して挑戦し続けたことは今の私の糧となったと自負しています。
 
 
――現地の雰囲気はどうでしたか。
 最初の留学で滞在した米国ワシントン州のベルビューはシアトル郊外にある都市です。シアトルへのアクセスもよく暮らしやすかったです。工学部交換留学で行ったカルフォルニア州のアーバインは気候がよく過ごしやすかったです。そのおかげかポジティブに人生を楽しもうという気風が街に根付いていました。私はこの米国生活で米国のことをすごく好きになれました。院留学のロンドンはご存知の通り英国の首都であり、小さな地球と表現できるくらい様々な人種に溢れていました。日本と同じ小島国でありながら、ここではEU内の人材の流動性の高さを感じました。
 

Halloween Party(UC Irvine留学中)。手前が築地さん。
 
――留学経験はご自身のキャリア選択にどう影響しましたか。
 私は元々、工学部社会基盤学科に所属し、土木技術を通しての国際貢献に興味を持っていました。留学を通して客観的に日本を見つめたことで、いかに日本の技術力が優れているかに気づきました。しかし同時に、それを活かしきれていないというもったいない現状にも留学中に気づき、ここに私は問題意識を感じました。特に環境技術をビジネスとして成り立たせ、日本にとっても相手国にとっても利益が生まれる貢献が必要でした。Imperial College Londonを卒業する頃には私は環境ビジネスという軸を据え、気軽に仕事仲間と接することができ、海外オフィスへ移転可能な企業を就職先として探しました。そして、ボストンキャリアフォーラムという毎年米国ボストンで開催されるバイリンガル日本学生を対象とした企業説明会に参加し、外資系戦略コンサルティングファームから内定をいただくことができました。
 
 
――最後に東大生に向けて何かメッセージをお願いします。
若い頃に身に付けた語学力や文化の多様性は、国際的に活躍するために必須です。特に今後、外国人を採用する日系企業が増えていくなかで、留学を始めとした海外経験は必ず活きてくると思います。帰国子女ではないからと言って臆することもないと思います。20代なら全然遅くありません。ぜひ留学にチャレンジしてほしいです。また私は留学を通して数多くの欧米の優秀な学生に出会いましたが、東大生の能力は決して彼ら彼女らに劣っていないと感じました。東大生が自信と誇りを持って国際的に活躍し、日本全体を盛り上げていく時代が来ることを願っています。
 
 
――ありがとうございました。
 
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東京大学は、イェール大学に日本研究及び日本に関連する人文学・社会科学のラボラトリを開設し、東京大学の教員による講義、シンポジウム、セミナーなどの開催や、イェール大学の研究者と共同研究が展開できる仕組みを整備しています。これにより、アメリカの日本研究に刺激を与えるとともに、東京大学の日本研究者・日本関連の研究にも刺激を与え、東京大学の国際化及び日本研究の普及の一端を担う重要な拠点となることを期待しています。

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