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第二回 工学部システム創成学科 4年 金光慶紘さん

 
トロント大学でのクリスマスパーティにて。右から3番目が金光さん
 
 
――利用した交換プログラム、留学先の大学、学部を教えてください。
 工学部の海外提携校との交換プログラム(※1)を利用しました。留学先はカナダのトロント大学の応用理工学部で、留学期間は2008年9月から2009月6月までです。
 
※1 工学部国際交流室(留学案内)http://www.oice.t.u-tokyo.ac.jp/jp/abroad/index.html

 
――留学に必要な準備はどのようなものでしたか?
 4学期(2年生冬学期)初めに工学部の国際交流室オフィスを訪問し、必要書類や手続きを確認しました。特に準備しなければならないのはTOEFL iBTスコア、推薦状、エッセイ、東大内面接でした。まず、TOEFL iBTはトロント大学の場合は79点以上取る必要があり、これは10月初めの受験でクリアしました。その後、推薦状を学科専門科目「動機付けプロジェクト」の担当教員に依頼して英文でいただきました。エッセイは日本語・英語両方で書く必要がありました。面接は国際交流室担当の方と工学部の先生と行い、これも英語でした。
 これらを全てこなした後、トロント大学に成績証明書などの書類を送りました。トロント大学での書類審査が通り、受け入れ許可の連絡が来たのは3年の6月の終わりでした。
 
 
――留学動機を教えてください。
 以前から大学院では海外に行って勉強したいと思っていました。英語はある程度日本で鍛えられても、アカデミックな環境で英語を磨く必要があると思い、院留学の準備として交換留学を決心しました。また交換留学はお金があまりかからないというメリットがあります。トロントでの生活は東京での生活に比べてかなり安くすみますし、授業料も東大に納めていれば、トロント大学に支払う必要はありません。通常ならトロント大学の学費は東大の2倍以上なのでかなりお得です。しかし、これらの条件は留学先によって異なるので注意が必要です。
 留学先としてアメリカも考えましたが、治安に不安を感じていたので一度住んだことのあるカナダにしました。

 
――現地ではどんな授業を受けましたか?
 トロント大学のカリキュラムは東大とは大きく異なります。僕が受講した科目は、
・Engineering Strategies and Practices
・Communication
・Terrestrial Energy Systems
・Interdisciplinary Perspectives on the Environment
・Nuclear Engineering
・Introduction to the Transportation Engineering
でした。ひとつの科目あたり週2~4回授業があり、それからチュートリアルと言って、TA(ティーチングアシスタント:大学院生が理解を助ける)と行う演習が2回ほど加わります。チュートリアルの形式は様々で、ひたすらに問題を解くものもあれば、グループでディスカッションをして授業の終わりに発表するものなどがあります。当初は現地に知り合いがいなかったため、グループワークは友達を作る良い機会になりました。学期末には試験があり、この時期は東大と同じようにみんな一生懸命テスト勉強をします。現地の学生は受講授業数によって授業料が異なるらしく、みんな熱心に授業を受けていました。受けた授業のひとつに安田講堂よりも大きなホールで教授がマイクを使って行う授業があり、最後尾の学生が大声で質問する姿が見られ、カナダ学生のエネルギーを感じることができました。全体的にハードな授業が多かったですが、こんな熱い環境ですから授業に行くのは全く苦ではありませんでしたね。
 
 
――特に印象に残っている授業は何ですか?
 Nuclear Engineeringはかなり難しかったですが、先生がすごく陽気でユーモアに溢れていて、とても楽しめました。この授業の演習は特に大変でした。
Communicationはネイティブがプレゼン術を学ぶ授業だったので、ノンネイティブの僕にとってはまさにチャレンジでした。CBC(カナダの国営放送)のアナウンサーが講師として講義をしてくれ、最終プロジェクトでは小学校一年生相手に化学工学を分かりやすく教えました。チームメンバーと工夫を凝らし、粘土にストロー、木の棒を使って、分子間力強さの違いをイメージさせ、なんとか満足のいくものに仕上げることができました。

 
――課外活動などには参加しましたか?
 高校までしていた卓球をトロント大学で再開しました。ただ最初に問い合わせた時には、既に満員状態だったので参加を断られてしまいました。あきらめず、チームリーダーにメールで自分の卓球経験をアピールし、アポを取って直接自分の卓球を見てもらいました。ここで入部を認めてもらい、最終的には団体戦レギュラーとして全北米大学選手権に出場までしてきました。トロントでできた一番の友人達もこの卓球部のメンバー達です。何かひとつでも世界で通じる特技を持っていれば、「類は友を呼ぶ」わけで人間関係を構築するうえですごく役に立ちました。
 他に模擬国連にも参加していましたが、ルールが複雑でなおかつ議論のレベルが高かったので、これは2ヶ月程でやめました。今振り返れば、これも続けておけば、相当英語力強化になったのにと後悔しています。
 日米学生会議のアメリカ側実行委員としての活動もしていました。カナダ留学中でありながら夜行バスで10回近くアメリカを往復したのも良い思い出です。同時にアメリカとカナダの違いについて考える機会にもなりました。

 
――トロントの雰囲気(大学、街、人々、娯楽など)はどうでしたか?
 大学が街と一体化していたことにまず驚きました。トロント大学はカナダ最大級で門や囲いがなく、いつの間にか大学内を出たり入ったりしていたなんてこともありました。街には本当に色々な人がいました。例えば、人種を見れば、北米でありながらアジア系が多く、韓国人街や中国人街が存在します。治安は都会にしてはすごく良かったです。

 
――留学前後で考え方やライフスタイルに違いがあれば教えてください。
 英語をさらに意識するようになりました。帰国後は通訳の仕事を始め、実践的に英語に触れる機会を増やすよう努力しています。
 また日本の見方も変わりました。時間にルーズになりましたね。5分前集合を意識していたのに、帰国後は5分後集合が当たり前になっちゃったりとか(笑)ここのところは、直すように努力しています。
 それから僕の場合、東大に復学した時に単位認定が一部しか認められず、学科必修科目や東大復学時期の関係で同じ学年をもう一度やることになりました。この点は留学におけるリスクになりうるので事前にチェックしておくことをオススメします。

 
――最後に東大生に向けてメッセージをお願いします。
 あまり偉そうなことは言えませんが、何か自分の得意分野を磨いておくといいと思います。僕の場合はそれが英語でした。集中的に英語を磨いたおかげで、留学や国際交流活動を通して多くの魅力的な人達に会う機会を得たことが今の自分形成につながったと思っています。

 
――ありがとうございました!大学院留学も頑張ってください。
 
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